80才最後のおみやげを持たされたか!と思いつつ、咳との戦いが一週間。
自分の免疫低下に止めをさゝれた。
少し快方に向かうと退屈になり本をひらくと、ある作家のコラムが目に入り、毎月、福祉施設に5,000円のお金を35年間、名を伏せて贈り続けた人のことが書かれていました。
その人は8畳一間の木造のアパートに住み、新聞配達をしている70才の女性で頑なに取材を拒んだとのこと。
その人は2才の時、母親が病死したため施設に預けられいじめにあう。
中学を出て働き20才の時に職場結婚、3人の女の子に恵まれたが30才の時に夫は結核で死亡。
その後、道端で子供を遊ばせ乍ら、リヤカーを店にしてネクタイを売っていたが一日1本位しか売れない。
ある日、中年の女性が「これタイ焼き、子供さんに」と差し出され涙がほとばしった。雪の日、空腹と寒さで子供達が泣きわめいている時、初老の紳士が来て、ネクタイを2本買ってくれた。
とても安物のネクタイを身につける人とは思えなかった。
一言も喋らずおつりも受けとらず去って行った。
間もなく彼女は疲労で倒れ、市役所に医療費の助成を頼んだが断られ、職員が自分の牛乳を1本持たせてくれて『〝力〟不足でゴメンネ』とあやまった。
上の子が高校生になり、夜は食堂で皿洗いのアルバイトをして、2人の妹の世話をし、彼女はネクタイ売りをやめて、新聞配達を始めた。
ある新聞で施設が経営困難と知り、即、5,000円を贈った。
家族4人の生活は苦しかったが、自分を助けてくれた人々を思うと苦しいなんて云っていられず毎月贈り続けてと云う。
〝私は昔、ある人からタイ焼きを頂いたとき決心したんです。ひとつの手は自分と家族のため、もうひとつの手は人様のために使おうと。
表彰するなら、牛乳をくれた人やネクタイを買ってくれた人を表彰して下さい〟と固く辞退されたとのこと。
考えてみました。
もしも、ブランド物を身につけてそれをステータスとしている人が全部とり払った時、心の豊かさは両者のどちらが輝くものか・・・・・・・・・・・ 人の生き方はそれぞれですね。
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